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第172段:生後半年は病気をしやすい! |
「赤ちゃんが風邪をひきました。母乳を飲ませ手育てたのに・・・・」と話され、
医師の私が「そんな話をどこで聞いたの?」と聞き返します。
むかしはそんな話があったのですね。
出産の後から5日目頃までが初乳、約3週間ぐらいの間は移行乳と呼ばれる普通の母乳(成乳)とは少し色の違うお乳が出ます。
このお乳の中には分泌型IgA(ぶんぴつがたアイジーエイ)と呼ばれる抵抗力の成分が含まれていますが、この免疫成分で全ての感染症の免疫を受け取れるわけではありません。
生後半年までくらいの間には赤ちゃんが感染症をもらわないように乳首もきれいにして授乳していますし、哺乳瓶なども消毒して使っているはずです。
風邪を引いている人が近づかないようにしていたりいろいろと気を使っているのは、赤ちゃんが病気を移されやすいからです。
自然の内にしている行動なのに体調を崩すと「赤ちゃんは病気をしないと聞いたはずなのに」と問い掛けられます。
大人以上に病気にかかりにくい状態ならあそこまで清潔にしないでも良いはずです。
普段の行動と自分の持っている知識とが一致していないことに気付かれましたか?
日本の乳児死亡率は世界で最も低く1000人の新生児のうち最初の1年間に死亡する児は4人以下です。
発展途上国などではこの数字が100台ですから本当に桁違いの数字なのです。
話は元に戻りますが、誤った知識での育児や健康法がまかり通っています。
もう一度知識の整理をしてみてください。
風邪を引いて熱が下がった方が良いのならどうして裸で外に出ないのでしょうか?
大した熱でもないのに熱さましを飲んで、体が冷えて振るえながら布団にくるまって体を温めようとしていたり、清潔が一番とアトピー性皮膚炎の患者さんや老人性皮膚ソウヨウ症に薬用石鹸を使ってかゆみを増加させていたりといいかげんな知識で健康障害を受けている人たちが以外と多いようです。
母乳に含まれる分泌型IgAでは全ての病気を防ぐことはできません。
清潔な環境で病気にかからないようにしてあげましょう。