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第73段:重複受診のすすめ |
健康保険制度の悪用に重複受診があります。
つまり同じ病気で2カ所も3カ所もの医療機関を受診することを重複受診といいます。
私は遊びながらの重複受診には問題がありますが、真剣な 態度での重複受診はお勧めしています。
自分の身体は自分にとってとても大事なものです。
1人の医師だけに身体を預けられますか?
別の医師にも診てもらいたいという気持ちはわきませんか?
最近ではこれをかっこよく「セカンド・オピニオン」と呼びます。
英語を直訳すると「第2の意見」となりますが、医療では別の医師の見解ということになります。
松本医院のホームページの中での 「待合室のおしゃべり」コーナーや電子メールでの健康相談などもこの「セカンド・オピニン」を求められているからでしょう。
しかしインターネット上では診察もしていませんし、身体を触ったり直接色々な角度から診察をさせて戴いたりすると(百聞は一見にしかずなのです。)すぐに分かることがあるのでやはり限界があります。
そこでもう1人の医師が必要になる訳です。
私が主治医だと勝手に判断していた患者さんですが、極めて高い確率で胃ガンであろうと診断して精密検査と入院を勧めましたが、すぐに返事が戴けませんでした。
別の医療機関を受診して同じ結論だったので(風の便りでその事実を知りましたが)、改めて私のところに紹介状を依頼に来られました。
(術後の往診やターミナルケアを考えると紹介状の以来の選択肢に私のみが残ったからだったのでしょう、このような経験は何度もあります。)
また患者さんが受診していた病院で手術を勧められ何とか手術を受けないで済む方法はないかと医療機関を変えられた方が受診されたこともあります。
(私が3人目の診察を担当し、内視鏡で早期の胃ガンと診断し3人目の医師として手術のすすめをしたこともあります。)
でもここで紹介した患者さんたちの気持ちはよく分かります。
本当に手術が必要なのかは1人の医師の診断では当てにできないというのが、患者さんの素直な考えだと思います。
いまの日本の医師と患者の関係で「貴方にセカンド・オピニオンをお願いします。」といえる患者さんが何人いるでしょうか?
内緒で初めてこの病気で受診しましたという顔をして受診されるでしょう。
このときあなたの頭の中を「重複受診はいけないこと」という考えがよぎると苦しくなるのです。
いまの主治医の治療方針や診療方法に疑問がある場合は、積極的に医師を変えたり別の医師に診察を受けても良いですよ。
あなたが納得して良い医療を受けることが可能になり、それがあな たのQOL(第1段で説明)を高めることになるのなら、だれが医療を担当しても良いと考えます。
私だけがあなたの病気を治す権利を持っているわけではありませんし、あなたも私以外の医師に診てもらってはいけないなどという規則もありません。
重複受診をして納得の行く診療を受けて下さい。あなたの幸せのためです。
とはいえ重複受診や主治医を変えるのは気分的にも難しいですね。
いい方法があったら教えて下さい。
気軽に話せる医師を2〜3人用意しておくのも良い手です。
私は患者さんに主治医が3人いても不思議じゃないと考えていますし、それを否定するつもりもありません。
ですから重複受診をお勧めします。