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日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会(委員長:九州大学名誉教授の藤島正敏氏)はこのほど、7月に高血圧治療ガイドライン「JSH2000」を作成しました。
このガイドラインでは、世界保健機関/国際高血圧学会や米国合同委員会(JNC)の高血圧治療ガイドラインと同様に、血圧140/90mmHg以上を「高血圧」と定義しています。
降圧目標値は、若年・中年者や糖尿病合併者では130/85mmHg。
60歳以上の高齢者の場合日本での特殊性を勘案して、
60歳代は140/90mmHg未満、
70歳代は150〜160/90mmHg未満、
80歳代は160〜170/90mmHg未満
と、それぞれ異なる降圧目標値を設定しています。
降圧薬の選択については、
1.カルシウム(Ca)拮抗薬、
2.アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、
3.アンジオテンシン2(A2)受容体拮抗薬、
4.(少量の)利尿薬、
5.β遮断薬、
6.α遮断薬−−
を第一選択薬として推奨。
この中の1薬を投与し、効果が不十分な場合は他薬の併用または他薬への変更を行うとしています。
ただし、どの降圧薬を選択するかについては「わが国における使用頻度に加え、費用対効果などを考慮して」(日本高血圧学会理事長で慶応大学内科内分泌代謝科教授の猿田享男氏)、上述1〜6の順番に推奨できるとしています。
私の印象では第1に選択すべきは、3.アンジオテンシン2(A2)受容体拮抗薬で、次いで1.カルシウム(Ca)拮抗薬とすべきではなかったかと思いました。
年齢別の目標の数値が設定されていてやや煩雑な感じがしますが、逆にどの年齢も同じ数値といわれるとこれまた不安を持つものです。
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