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心にうつりゆくそぞろごと
「心にうつりゆくそぞろごとを、そこはかとなく書きまぎらわしたるもの」を紹介しようと思い立ちました。
徒然草のごとく「日くらし硯に向かう」ほど暇ではありませんが、「心にうつりゆくよしなしごと」よいうか「そぞろごと」は、いくつも現れてきます。医学書を作るよりもこの方が人間味のある文になるのではないかと思います。
しばらくは「私の心にうつりゆくそぞろごと」とおつき合い下さい・・・

  第86段:デジタル世代の体温感覚  

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10年以上前に出現した電子体温計で育った方々は昔ながらの水銀体温計で育った方々とは体温関にしての感覚が異なるようです。

昔の水銀体温計は42℃までしか目盛りがなく、34℃から始まった目盛りのかなり上の方まで来た39℃あたりで危険なのではないかと心配されていたようですが、最近は電子体温計ですのでデジタル表示ですからかなり高いところまで体温が上昇したと考えられないようです。

水銀体温計には37℃の所に赤や青の線が引いてあったため37℃以上は発熱と誤解される方が多かったのですが、最近はその誤解が減って助かっています。

乳幼児の予防接種の時の体温は37.5℃未満は発熱なしとして取り扱いますので37℃からを発熱と解釈されなくなりました。
(朝の体温ではなく、接種前の体温になりました。ついでながら予防接種をした日の入浴は問題なく可能です。さらに、予防接 種部位を何度も「もむこと」は局所反応を増加させるため好ましくありません。2〜3分押さえておくだけで十分です。「もむこと」で手が腫れ上がる場合もありますのでご注意)

昔、電子体温計は高めに表示が出るとか不正確だとかいわれましたが、やはり問題ありませんでした。
正しく測れば問題ありません。
(腋下{わきのした}の体温は不正確で日本以外ではあまり利用されていません。口の中で舌の下に体温計を入れて測定する方が良いのですが・・・)

デジタル表示になったため、どこで発熱と考えるかどの程度が基準値なのかが分からない人たちが増えてきているのも事実です。

昔に比べ発熱に対する指導が変わってきていますが、基本的な知識は変わりありません。

私は38.5℃以上を発熱と考えます。
平熱より1℃以上高く38.5℃未満を微熱と考えています。
小児の場合は正確に計って39.5℃未満は解熱剤の使用は必要ないと考えています。少なくとも小児では38℃台で解熱剤を使う必要はないと考えます。

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