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心にうつりゆくそぞろごと
「心にうつりゆくそぞろごとを、そこはかとなく書きまぎらわしたるもの」を紹介しようと思い立ちました。
徒然草のごとく「日くらし硯に向かう」ほど暇ではありませんが、「心にうつりゆくよしなしごと」よいうか「そぞろごと」は、いくつも現れてきます。医学書を作るよりもこの方が人間味のある文になるのではないかと思います。
しばらくは「私の心にうつりゆくそぞろごと」とおつき合い下さい・・・

  第87段:頓服薬(とんぷくやく)の誤解  

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「先生、頓服の薬はなるべく飲まない方がいいのでしょ?苦しかったけど赤い印刷の薬袋で薬がきつそうなので飲みませんでした。」
「良く聞いてくれました。頓服薬とは身体の症状に合わせて飲む薬で、定期的に飲まない薬の呼び方です。できるだけ飲まないように」
などと説明されている場合もあるようですが、不適切な説明です。

頓服薬は「定期的に飲まない薬」という意味です。
別にきつい薬や副作用の強い薬だから頓服になっているわけではありません。
定期的に飲む必要はないけれど、快適な生活、らくちんな養生になるための補助薬なのです。
積極的に利用して快適な生活をして下さい。

薬剤師の先生方に提案。
いい加減に用語を変更されたらどうですか?
昨年松江赤十字病院の薬剤師の野津先生が学会で発表された「理解されていない服薬に関する用語について」(正確な演題の名 前を忘れました)の内容は、患者さんに医学や薬学を知ってもらうにはあまりに無神経な言葉が多すぎると考えさせられました。

食間という言葉から食事中に薬を飲むという解釈があったと笑い話ばかりしていても意味がありません。
座薬は座って飲む薬と解釈して飲みにくいけど我慢して飲んだとか、「尻に入れる薬」と説明され、「汁に入れて飲んだ」とか業界落ちのネタが多いということは、正しく情報伝達ができていない証拠だと考えています。

食間は食後2時間とか食前は食前30分から1時間とか、口の中に貼る薬や塗る薬、鼻の中に噴霧する薬、目に入れる薬ががなぜ外用剤なのですか?

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