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心にうつりゆくそぞろごと
「心にうつりゆくそぞろごとを、そこはかとなく書きまぎらわしたるもの」を紹介しようと思い立ちました。
徒然草のごとく「日くらし硯に向かう」ほど暇ではありませんが、「心にうつりゆくよしなしごと」よいうか「そぞろごと」は、いくつも現れてきます。医学書を作るよりもこの方が人間味のある文になるのではないかと思います。
しばらくは「私の心にうつりゆくそぞろごと」とおつき合い下さい・・・

  第85段:インフルエンザの誤解  

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今年の冬もインフルエンザの猛威にさらされていますね。
マスメディアの過剰報道にもあきれていますが、本来インフルエンザという病気は死に至る病だという認識がないのではないでしょうか。

「どこそこで何人死亡」と報道されますが、インフルエンザは免疫系が本来の力を出せない状況では、人間が死ぬほどの強さの感染症なのです。
「水虫の菌」や「みずいぼ」、「リンゴ病」などの原因菌やウイルスと比べると格段に怖いウイルスです。

昔から「犬が人を咬んでもニュースにならないが、人が犬を咬んだらニュースになる」といわれていますが、インフルエンザで死ぬのは通常よくあることなのになぜニュースとして大々的に報道するのでしょう か?

日本ではインフルエンザの流行は学齢期の集団が増幅の場となり、これが地域社会に拡大するという 考え方から、児童、生徒を中心とする予防接種計画が提唱されていましたが(1962年から)、最近はインフルエンザ流行の被害を受けやすいのは老人や呼吸循環器系あるいは代謝性疾患を有する人など、いわゆるハイリスク者を優先した個人防衛を重視する欧米型の接種体勢に変化しています。

インフルエンザは死に至る可能性がある疾患です。
むやみにおそれる必要はありませんが、予防をしたいと考えられれば、11月から予防接種を開始しなければ間に合いません。
現在のインフルエンザワクチンは十分満足できるほどではありませんが、より有効なワクチンが開発中です。

インフルエンザワクチンはインフルエンザの型が異なると効果が出ないのですが、ここ10年以上はず れたことはなく高い精度で予測を的中させていますのでそれを理由に接種をしないのは論外です。

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