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心にうつりゆくそぞろごと
「心にうつりゆくそぞろごとを、そこはかとなく書きまぎらわしたるもの」を紹介しようと思い立ちました。
徒然草のごとく「日くらし硯に向かう」ほど暇ではありませんが、「心にうつりゆくよしなしごと」よいうか「そぞろごと」は、いくつも現れてきます。医学書を作るよりもこの方が人間味のある文になるのではないかと思います。
しばらくは「私の心にうつりゆくそぞろごと」とおつき合い下さい・・・

  第91段:清潔好きもほどほどに  

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世の中の清潔用品の氾濫には驚いてしまいます。
抗菌グッズなどは何でこんなものまでとあきれるほどです。
肌を清潔にと洗いすぎて皮膚炎を起こして来院される方が後を絶ちません。
ふけが出るからと頭を洗いすぎて皮膚炎を起こし、頭が痒くなったのでさらに頭をごしごし荒い皮膚炎をひどくしている人など・・・・・
「洗わないでください」と説明するのに苦労しています。
清潔にすることも大切ですが、「過ぎたるは、なお及ばざるが如し」という論語の言葉を思い出します。
何事も中庸に。

清潔好きといえば入浴、地球上の人類で毎日全身を湯船などににつけて体を洗っている人間とそうでない人間はどちらが多いか考えたことがありますか?

ご想像通り毎日風呂に入っているほうが少数派で、きわめて特異な生活習慣と見られています。
ついでながら排便後、紙で肛門周囲をぬぐう人間の数と紙を使用しない人間の数も圧倒的に紙を使わないほうが多いですね。

海外旅行でトイレに紙がなく困られた経験はありませんか?
入浴の習慣や排便後の始末など日本人の生活習慣では当たり前と持っていることが海外では通用しないのですね。

清潔志向もほどほどにして下さい。
「ふけが落ちた」や「よだれがついた」で大騒ぎをしていませんか?
(道路には平気でごみを捨てたりタバコを投げ捨てたりしているのに)清潔にするところや絶対に清潔にしなければならないところ傷口や手術室、手術器具などはきちんとしなければなりませんが、日常生活の場でのボールペンなどまで必要以上に清潔にする必要はないと思うのですが。

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