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心にうつりゆくそぞろごと
「心にうつりゆくそぞろごとを、そこはかとなく書きまぎらわしたるもの」を紹介しようと思い立ちました。
徒然草のごとく「日くらし硯に向かう」ほど暇ではありませんが、「心にうつりゆくよしなしごと」よいうか「そぞろごと」は、いくつも現れてきます。医学書を作るよりもこの方が人間味のある文になるのではないかと思います。
しばらくは「私の心にうつりゆくそぞろごと」とおつき合い下さい・・・

  第95段:エスカレーターを下りに使わせてください  

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駅などの公共施設のエスカレーター、なぜか登りだけのところが多いですね。
脚の不自由な方にとって必要なのは下りのエスカレーターなのです。

若くて元気な方には上りが必要と考えられるのかもしれませんが、筋肉の力が低下してきた高齢者などは階段の下りに不安を覚えるのです。
登りと下りでは下りの方が筋力をたくさん必要とします。
上りのエスカレーター1本の施設ではそれを降りに使用して戴くと喜ばれる方が多いのですが・・・・・

最近、私も老眼でめがねも遠近両用になってしまいました。
そうなってみると下りの階段が怖く感じることがあります。
ちょうど目のピントがあいにくい距離なのです。
階段を下るときに前方が確認できない不安は上りのときよりも強いようです。
下のほうに転げ落ちてしまうという恐怖感のためです。
高齢者や身体障害者が街に出かけている数は10年以上前と比べると格段に多くなっています。
社会的弱者にも配慮した施設つくりが必要とされているとつくづく感じています。

足の不自由な方へのアドバイス、エレベーターや下りのエスカレーターがなくて階段を下りるときには、後ろ向きになり手すりを使って後ずさりしながら降りる方が安全で、脚にかかる負担も少ないようです。

さらに、不安定な脚で立って安定した方の脚を先に1段下におろし、不安定な方の脚を同じ段におろして脚をそろえて、再び安定している脚を1段下に降ろすという降り方がうまくゆくようです。
知識として持つだけでなく他の人にも教えてあげて下さい。

手すりもエスカレーターと同様に上る時より下る時の方が必要な場合が多いようです。

ところがこの手すり、高さだけでなく、握ったときに冷たい感じがするものや、太さが手になじまないもの、手すりの形状が悪いものなどは利用しにくいのです。
とにかく手すりが付いていればよいというものから、よく考えられているものまで様々です。

社会的弱者が利用しているにもかかわらず、手すりが活用されていない場合には設置そのものに再検討を加える必要があると思います。
(手すりはあるが極めて使用に不便な位置についていたり、物干し場になっている場合があるなどです。)

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