そぞろごとトップ 検索 管理用 松本医院Home

心にうつりゆくそぞろごと
「心にうつりゆくそぞろごとを、そこはかとなく書きまぎらわしたるもの」を紹介しようと思い立ちました。
徒然草のごとく「日くらし硯に向かう」ほど暇ではありませんが、「心にうつりゆくよしなしごと」よいうか「そぞろごと」は、いくつも現れてきます。医学書を作るよりもこの方が人間味のある文になるのではないかと思います。
しばらくは「私の心にうつりゆくそぞろごと」とおつき合い下さい・・・

  第96段:杖の使用法  

[前頁]  [次頁]

1本杖を使っての歩き方を紹介しようと教科書を調べました。

念のためと思い先輩の整形外科医の川内先生にお問い合わせをしました。
意外な答えが帰ってきました。
電子メールの内容をそのまま公開しましょう。

私からの質問
「今日は質問です。1本杖の時の歩き方ですが、健側(足が比較的よく動く方)に杖をつかせて歩かせますがなぜですか?
しばしば患者さんが患側(足の状態が悪い方)に杖を使用されているので健側にさせるときなぜかを聞かれて答えに窮してしまいました。
(教科書にはそう書いてあるのですが)
理由をお教えいただければ助かります。
近いうちに「心に移り行くそぞろごと」にも掲載しようと考えています。
不自由な足の代わりに杖を使うのだから悪い方足の代用なので患側という考えが素人のようですが・・・・」

川内先生からのお答え
「確かに教科書的にはお書きの通りになっていますが、現実には人工股関節の患者さんを沢山診ていますが、結果的にはどちらでもよいみたいです。
これは利き手、利き足の関係かもしれません。
人によって安定する側は様々なのです。
非常に学問的ではありませんが、小生は杖を持たせて歩いて貰い、その結果で決めるようにしています。
実際に歩く姿を診ないといけませんが、この方が確実なようです・・・・・」

との答えでした。

第95段の階段の後ろ向きの下りの問題でも、すべての方に後ろ向きがよいとはいえないとのお答えでした。

やっぱり教科書は教科書で現実とは異なるのだなと感じました。
「心にうつりゆくそぞろごと」も教科書的なものより現実的なものを重視して書いていますので問い合わせをしてよかったなと感じました。
川内先生ありがとうございました。

[前頁]  [次頁]


- Column HTML -