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心にうつりゆくそぞろごと
「心にうつりゆくそぞろごとを、そこはかとなく書きまぎらわしたるもの」を紹介しようと思い立ちました。
徒然草のごとく「日くらし硯に向かう」ほど暇ではありませんが、「心にうつりゆくよしなしごと」よいうか「そぞろごと」は、いくつも現れてきます。医学書を作るよりもこの方が人間味のある文になるのではないかと思います。
しばらくは「私の心にうつりゆくそぞろごと」とおつき合い下さい・・・

  第97段:家庭機能の外注化(その1)  

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「家庭の機能が崩壊している」などといわれますが、こんなことはずいぶん昔からあったことです。

親が仕事が忙しく家庭でしつけられない、教育できない、子育てがお留守になっているなどというのはずいぶん前からですね。保育園や幼稚園に預けることは家庭ですることを外注化していると考えるとどうでしょう。

たしかに集団生活を体験させるという観点からは良いことですが、視点を変えれば育児を外注化しているわけです。
比較的早い時期から職場復帰されたお母さんなどは離乳食など作ったことがないと話しておられますよ。
もちろんわざわざ作らなくてもお店で良くできた離乳食を買うことができますから作る必要がないというのも事実です。
(本当に薄味で良くできています。食べてみて確かめました。)

朝はミルクを飲ませて乳児園や保育園に連れて行き、夕方遅く迎えに行き帰ってからもミルクだけ、時々買って帰った「電子レンジで温めるだけの離乳食」でも子供に悪いことをしていると思いながら食べさせないでください。
「ママもパパも忙しいから食事を作る時間を減らしてでも赤ちゃんとのふれあいの時間を多くしているのよ」と笑顔で向かい合いましょう。

世の中にはなんでも手作りが一番、食卓に乗せるものは主婦や主夫が時間をかけてできるだけ原始的な方法で料理をすることが善と考えている人があまりに多いような気がします。
外食産業が今日ほど活発な活動をしているのは食事という家庭機能を外注化しているからでしょう。
外食にすれば後片付けも不要ですから便利ですよね。

外食の問題点は、何をどのくらい食べるかが問題で、外食そのものが悪いわけではありません。
(糖尿病などに代表される食事内容に制限のある方には選ぶべき物がほとんどないというかわいそうな状況ですが・・・・)

外食をしたり、惣菜物を買って帰ることが悪いことだとは私は考えていませんが、賄いの機能を外注化して時間を有効に使うことには賛成です。

健康にも配慮したメニューや惣菜物を用意していただきたいことと、消費をする側が上手に利用する(選ぶ)知識を持たないといけませんね。

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