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心にうつりゆくそぞろごと
「心にうつりゆくそぞろごとを、そこはかとなく書きまぎらわしたるもの」を紹介しようと思い立ちました。
徒然草のごとく「日くらし硯に向かう」ほど暇ではありませんが、「心にうつりゆくよしなしごと」よいうか「そぞろごと」は、いくつも現れてきます。医学書を作るよりもこの方が人間味のある文になるのではないかと思います。
しばらくは「私の心にうつりゆくそぞろごと」とおつき合い下さい・・・

  第99段:皮下脂肪の存在  

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皮下脂肪。
ついて欲しいところについてくれない、ついて欲しくないところに良くつく嫌なやつですか?

ほとんどの動物は地上に出現してから、満腹状態が1日に1度以上あることはありえないことが続いていました。

日本を含めた先進国の中で過食が問題になり始めたのは、ここ数十年にも満たない短い期間の問題です。
人類をはじめとする動物は如何にして飢えから身を守るか、如何に効率良く運動エネルギーを溜め込むかに生命の存続をかけて進化してきました。
ところが近年その溜め込んだエネルギー(カロリー)を使う方法が見つからず、飢餓のときのために用意した皮下脂肪が増えすぎて様々な病気を進展させることがわかり、一転して悪者扱いされるようになりました。

奈良時代の絵などを見るとふくよかな女性が美人として登場していましたが、時代が下がるにつれ美人の基準が細くなってきています。

皮下脂肪はいつ襲うかわからない飢えの時期に備えて用意されているものですから、常に満腹状態が続くとどんどん増えてしまいます。運動をして痩せようと考えている人も多いようですが、激しい運動は意外と空腹感が強くなりかえってたくさん食べるようになります。

膝や足腰、心臓などに運動制限に関連しそうな病気がない方には30分以上の散歩がお勧めです。
運動の効果は疲れが翌日まで持ち越すことがあるように、効果は翌日まで続くこともあります。
毎日でなくても大丈夫。1日おきでも十分ですから歩きましょう。

極端に食べない「劇ヤセ」法は体の水分を一気に出すことと、筋肉を消耗させてしまうだけです。
体重はたしかに減りますが、皮下脂肪はそれほど落ちていません。激しい運動をすればたんぱく質は補充しなければなりませんし糖質もある程度食べなければ単なる衰弱と差はなくなります。

「美しく痩せたい」、「皮下脂肪をきれいにコントロールしたい」望みは大きくなりますね。
科学的に正しい知識でスマートな体になりましょう。
ある程度の皮下脂肪は残しておいてください。
いつの日か飢餓の時代がくるかもしれませんよ。

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