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心にうつりゆくそぞろごと
「心にうつりゆくそぞろごとを、そこはかとなく書きまぎらわしたるもの」を紹介しようと思い立ちました。
徒然草のごとく「日くらし硯に向かう」ほど暇ではありませんが、「心にうつりゆくよしなしごと」よいうか「そぞろごと」は、いくつも現れてきます。医学書を作るよりもこの方が人間味のある文になるのではないかと思います。
しばらくは「私の心にうつりゆくそぞろごと」とおつき合い下さい・・・

  第109段:頭のよくなる注射、行儀のよくなる注射  

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行儀のよくなる注射をして下さい。
毎月何人かの大人からお願いのでる注射です。
残念ながらまだ開発されていませんね。
(あったら最初に私に注射します。)

子供のしつけに医療機関での注射を利用して欲しくないですね。
注射が怖い、悪いことをするとお仕置きに注射をされるというような関連性を持たせて欲しくないのです。

髭のある私の顔を見て子供が泣かないことを不思議がる大人が多いのですが、子供との勝負はやはり目です。
目がやさしいと子供は怖がりませんね。
大人が必要以上に緊張していると子供も緊張しています。
医師の前でのお父さんやお母さんの緊張度が高いほど子供さんが泣く割合が高そうです。

無意識のうちにえらい人と決め付けて緊張して診察室に入られる方がありますが、私も「普通のおっさん」です。
診察室に入ってきた子供に「おっさん、なにしとるん?」と問いかけられることもしばしばです。
その時の慌てるお母さんやおばあさんの顔を見ていて楽しんでいるわけではありませんが、一気に緊張が高まる人と笑いに転じる人など面白いですね。

行儀のよくなる注射や頭のよくなる注射はやはりありません。
躾のためにあるいは罰としての注射を引き合いに出されると、医療機関は怖いものでなるべく近寄らないほうがよいものとの先入観を与えることになります。
医師の仕事も「鬼手仏心」の痛みや辛さをこらえさせて治療する仕事から、健康管理の側面をもつ仕事が多くなっています。
昔ながらの先入観で医師の仕事を見て欲しくないですね。

山陰、山陽を問わず中国地方には「頭が悪い」と表現される患者さんが多いですね。
これは頭が悪いのではなく頭重感に加えてすっきりした感じがなく、いつも頭の存在を感じるときに使われる様です。
治療にはよい方法がなく、頭がよくなる注射があったらすぐに紹介して下さい。

ところで1999年7月に発売開始された新しい片頭痛の薬よく効くようですね。
へん頭痛や慢性の頑固な頭痛の方は受診して相談してみてください。

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