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第111段:喘息の季節(β刺激薬の使い方) |
1年、12ヶ月のうちで喘息の起こりやすいのは5月、6月、10月です。
私達はその1ヶ月前から「要注意期になりましたよ」と患者さんにお話しています。
4月や9月に風邪を引くとその炎症が気管支にまで広がり完全に治りきる前に5月、6月を迎えたり、10月になってしまうからです。
気管支が過敏状態(気道の過敏性亢進状態と呼びますが)になると、わずかの刺激で喘息発作になってしまいます。
重症の発作を起こすと気管支が正常な状態まで戻るのに約一ヶ月掛かります。
このため風邪や喘息の主症状が治ってもなんとなく咳が続いたり、痰が切れにくい状態が続くわけです。
最近話題の結核の可能性もありますから、きちんと受診してください。
話は元に戻ります。
98年12月からフルタイド・ロタディスクと呼ばれる新しい副腎皮質ホルモンの喘息用の吸入薬が使用できるようになりました。
非常によく効く安全な薬で今年の5月、6月はひどい発作を起こされた患者さんがほとんどおられませんでした。
最近は発作が起こらないことを安心してか、吸入を忘れておられる場合があるようです。
そこで発作が起こったとき、ホクナリン・エアゾールとかメプチン・エアというようなβ刺激剤という発作止めの吸入器のお世話になるわけです。
これらの薬は発作の初期に使わないと吸入後の息止めが十分にできないために薬の効果を得ることが困難です。
吸入後20分経過しても呼吸が楽にならないときには、もう一度指定されたように吸入します。
さらに20分経過しても楽にならないときには、もう一度指定されたように吸入してみましょう。
最初の吸入から1時間経過した時点(20分間隔で3度吸入しています)で呼吸が楽にならなければ、直ちに医療機関を受診してください。
お休みの日だとか、だからとか夜間や深夜だからなどで遠慮してはいけません。
あなたの命が掛かっています。
いまだに喘息発作で死亡する患者さんが後を絶ちません。
医療機関に到着する前に死んでおられる方が少なくない現実を知っていてください。
喘息はやせ我慢をしたり、鍛えるだけで治る病気ではありません。
正しい理論できちんと管理することが大切なのです。
「薬に頼ってはいけない」などという誤った考え方は捨ててください。
薬を上手に利用して快適な生活をしましょう。