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心にうつりゆくそぞろごと
「心にうつりゆくそぞろごとを、そこはかとなく書きまぎらわしたるもの」を紹介しようと思い立ちました。
徒然草のごとく「日くらし硯に向かう」ほど暇ではありませんが、「心にうつりゆくよしなしごと」よいうか「そぞろごと」は、いくつも現れてきます。医学書を作るよりもこの方が人間味のある文になるのではないかと思います。
しばらくは「私の心にうつりゆくそぞろごと」とおつき合い下さい・・・

  第112段:大腸ガンの予防  

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食物繊維を摂取すると大腸ガンの予防になるという説が1960年代にデンマークの医師から提唱されましたが、99年のニューイングランドジャーナルという世界的に権威のある医学雑誌にそれを否定するような論文が出ました。

90,000人の看護婦さんを対象にしたprospective studyと呼ばれる調査方法で(かなり信頼度が高い調査方法です。)食物繊維を多く含む食事を食べていたグループとほとんど食べていなかったグループで大腸ガンの発生に有意な差がなかったというものです。
この論文を著者代表はCharles S. Fuchsさんです。

しかし、この論文で食物繊維を食べることの有用性が全て否定されたわけではありません。
でんぷんなどの糖質の吸収を遅くする作用や排便のための作用などは否定されていませんから、今まで以上に食物繊維を多く摂る工夫をしても差し支えありません。
がんの予防を目的とした食物繊維の摂取に疑問があるということです。

石ころのような「コロコロうんち」の方は食物繊維をもう少し増やしてみる必要があるのではないでしょうか?
第30段の「うんこがでない」も合わせてお読みください。

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