/そぞろごとトップ /検索 /管理用 | 松本医院Home |
|
第121段:水を飲んで膀胱ガンを防ぐ! |
ニューイングランド・ジャーナルという医学雑誌の記事です。
(この雑誌はかなり権威のある雑誌で信頼度の高い論文が掲載される確率が高い雑誌です。)
尿に排出される発癌物質が膀胱ガンの原因とすれば、水分摂取を多くして尿を希釈すれば膀胱ガンを予防できるのではないかという考えから48,000人の男性を2年ごとに調査して10年間の結果をまとめました。
この間に250人が膀胱ガンとなりました。年齢や喫煙など様々な関連因子を統計的に処理した後の結果は1日に2.5リットル以上水を飲んでいる人は1日に1リットルしか水を飲まない人よりも膀胱ガンの発生率が約半分になるという結果でした。
1日に水2.5リットルというと相当の量ですね、水には何ら害はありませんから飲みましょう。しかし量としては結構多いですね、実行するのはなかなか困難でしょう。10年間頑張られた研究対象者にご苦労様でしたと伝えたい気分です。
「夜のトイレが回数が増えて困る」とか「水で2.5リットルは飲めないのでビールではだめですか?」などの意見については答える立場にありません。
私は「沢山水を飲めることが健康な証拠です。」という仮説で仕事をしていますが、証明はしていません。数年前に寝る前に水を飲むと睡眠中の血液の粘調度を下げられる可能性があるので脳梗塞を予防できるというような仮説をマスメディアで取り上げていましたが、仮説はまだ証明されていないと思います。
(夜間の排尿回数が増加して続けられないという方が多かったのを覚えています。)
医学の研究やその成果は大変な努力が必要なことがわかりますね。
医師の言葉の後ろには、世界中の研究者の大変な努力とその研究に参加してくださった多くの患者さんやボランティアの方々の協力があるのだということを知ってください。