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第123段:漢方薬の話 その1 |
第5段で漢方薬については別に紹介しますと書いておきながら2年以上も放置していました。
今回から少しシリーズで紹介します。
漢方薬は副作用が少なく長期間にわたって服用するものという考え方が一般的ですが、そういう考え方は改めていただきたいのです。
以前紹介した部分に漢方薬の古典の中の傷寒雑病論(しょうかんざつびょうろん)という本があり傷寒というのは急性の発熱疾患、雑病というのは慢性の発熱のない病気というふうに説明しました。
ですからこの傷寒についた書かれたところの薬は急性の病気に良く効く薬がかかれています。
現在の抗生物質や解熱剤、痛み止めなどよりも効果の優れたものもあります。
しかし、全ての病気が漢方薬で治るというような話ではありません。
私の数少ない経験でも服用後2〜3分で頑固な偏頭痛が消失したり、花粉症の鼻水が10分程度で軽快して涙も止まり喜ばれたり(一時的に症状がぐっと改善します)、こむら返りが止まったり、しゃっくりが止まるなどなど、服用後1時間以内にからだの変化が感じられそれ以後漢方薬が大好きといわれる方が増えつつあります。
「良薬は口に苦し」というのは見当はずれのことが多く、体調や体の具合に合った薬を飲むとおいしく感じられたり、苦い薬もスーッとしてさわやかな感じがするなどという感想を聞くことが多いようです。
子供さんの薬を試しに親が飲んだらまずかったが、子供はおいしいといいながら飲むということもしばしばです。
このあたりが漢方薬の面白いところで、大人の体や体調と子供の体や体調が一致していない証拠でもあります。
医師向けの漢方薬の使い方の講演会などで講師を務めることもありますが、「患者さんがおいしく感じられる漢方薬を処方したら、漢方の見立てが当たっていて正しい治療だったと思っても良いでしょう。」と説明しています。