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心にうつりゆくそぞろごと
「心にうつりゆくそぞろごとを、そこはかとなく書きまぎらわしたるもの」を紹介しようと思い立ちました。
徒然草のごとく「日くらし硯に向かう」ほど暇ではありませんが、「心にうつりゆくよしなしごと」よいうか「そぞろごと」は、いくつも現れてきます。医学書を作るよりもこの方が人間味のある文になるのではないかと思います。
しばらくは「私の心にうつりゆくそぞろごと」とおつき合い下さい・・・

  第125段:温湿布? 冷湿布? どっちが効く?  

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湿布薬(パップ剤とも呼びます)は結構人気のあるお薬です。
痛み止めとして大好きな方が多いようですね。
ところがこの湿布薬使われているのは日本と中国、台湾などの国に限られているようです。
欧米の国で研修をされた医師が帰国されると、あちら流の診療をされ「シップ? 不要です!」と切り捨てられるようです。
実際に欧米の医師に湿布薬を見せ説明すると「日本の魔術!」と喜んで持って帰られるようですが、面白がっているだけのようです。

第77段でも紹介しましたが、湿布薬の痛み止めの成分が皮膚から吸収され喘息発作を起こすような場合もありますが、欧米ではこの皮膚からの痛み止めの成分の吸収作用を利用していないようです。
効き目も飲み薬に比べると弱いようですし、胃腸障害は薬を飲まないほうが有利ですが、ひどい副作用は喘息などのように起これば同じですから・・・・・怪我をして痛みがあり赤くはれていればいわゆるクーリングをすべきでしょう。
湿布を貼るだけよりもクーリングの方が理論的に優れていると思います。

現在、健康保険などで使える湿布は冷湿布として存在するものは極めて少ないと思います。(きちんと確かめてません。)
貼ったときに冷たく感じてもそれは冷湿布ではありません。(冷たいのが嫌なときには温めてはっても効果は変わりません。電子レンジやオーブンで温めないで下さい。)
湿布のほとんどは冷やして治しているのではなく、痛み止めの成分を皮膚から吸収させて効かせているからだと説明されています。

温湿布と呼ばれるものは貼ると暖かくなるのではなく、ひりひりしてくるのを錯覚しているだけです。
「唐辛子のエキス」が薬の中に入っているためです。
かぶれる割合が各段に多くなります。
効果はあまり変わらないようです。

正直なところ私自身は湿布に多大な効果を確信して処方しているとはいえません。
患者さんだって「気分かもしれないけれど、貼るといいような気がするから湿布を下さい。」と話される方も結構おられます。
でも痛い所に手を当てたり何か処置をしてもらうと手当てした気分で気が落ち着きますよね。
効果はその程度かもう少しあるという程度ではないでしょうか。
あまり期待はできません。(いつもの東京の川内先生にご協力戴きました。)

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