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心にうつりゆくそぞろごと
「心にうつりゆくそぞろごとを、そこはかとなく書きまぎらわしたるもの」を紹介しようと思い立ちました。
徒然草のごとく「日くらし硯に向かう」ほど暇ではありませんが、「心にうつりゆくよしなしごと」よいうか「そぞろごと」は、いくつも現れてきます。医学書を作るよりもこの方が人間味のある文になるのではないかと思います。
しばらくは「私の心にうつりゆくそぞろごと」とおつき合い下さい・・・

  第126段:胃薬を飲むと胃が悪くなる?  

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「先生、この前もらった胃薬あれを飲むと胃が悪くなったのですが・・・・」
「はい、あの胃薬で胃が悪くなる人は時々おられますね。」
(患者の言い分を決して頭から否定してはいけないという医師のマナーを守っている。)
「胃薬で胃が悪くなるのですか?」
「残念ながら時にそのようなことが起こります。」
「変な話ですね。」・・・・・

ところで患者さんが胃薬が欲しいといわれますが、胃薬というのはどのような作用を解消するための薬ですか?
あなたはどう考えていますか?
実は私自身は胃薬がどのような薬を意味しているのか、本当のところがわかりません。
「胃薬が欲しい」といわれても何を処方すればよいのかわからないので「むねやけの薬ですか?」、「持たれる感じを軽くする薬ですか?」というふうに聞きかえしても「いや胃薬だ」といわれると困ってしまいます。

最近は「胃に負担にならない薬なので胃薬はいらないです。」と答えると妙に納得される方が多くなりました。
どうやら胃薬は必要はさしてないけれども、なんとなくないと不安というような薬なのではないかと考えるようになりました。
2,3種類の薬を飲むと必ず胃薬がないといけないと思いこまれている方も多いようですね。

実は薬の錠剤などには薬の本来の成分以外に薬の錠剤の形を作るために乳糖という成分をまぜて薬の量をふやして飲みやすくしてあります。
ところがこの乳糖が多くなると胃のもたれる感じが出現しやすくなり「胃薬が欲しくなる」ようです。薬を飲むときの水や白湯の量をふやすと、意外と胃腸の調子も良くなることがありますので御試しください。

薬を飲むときには胃薬を必ず飲まなければならないと思っていませんか?
胃腸障害を起こしやすい薬もありますが、そうでない薬も意外と多いのです。
胃薬も薬ですから副作用があります。
不必要な薬を飲むのはやめましょう。

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