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心にうつりゆくそぞろごと
「心にうつりゆくそぞろごとを、そこはかとなく書きまぎらわしたるもの」を紹介しようと思い立ちました。
徒然草のごとく「日くらし硯に向かう」ほど暇ではありませんが、「心にうつりゆくよしなしごと」よいうか「そぞろごと」は、いくつも現れてきます。医学書を作るよりもこの方が人間味のある文になるのではないかと思います。
しばらくは「私の心にうつりゆくそぞろごと」とおつき合い下さい・・・

  第128段:シーンという静かな音は耳鳴りの音  

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シーンという静けさをあらわす表現の「シーン」はじつはあなたの耳鳴りの音が聞こえるほど静かなのです。
耳鳴りで悩まれる方は「シーン」とか「キーン」とかいうような高周波成分の音と呼ばれる種類の音で悩まされる方と、「ざーっ」というような低周波成分の音で悩まされる方があります。
「シーン」や「キーン」のような耳鳴りの音は誰でも僅かながら聞こえているのですが、日常の環境の音にごまかされていてその音を認識していないだけなのです。

シーンという音が出てくるのは、静かで「かすかに聞こえてくる自分の耳鳴りの音」だという事実を認識してください。

耳鳴りが気になる人は、夜寝るときにラジオを小さな音で聞きながら眠ると耳鳴りは聞こえにくいようです。
耳鳴りが気になる患者さんが、静かな音のない部屋でぐっすり寝たいと話されますが、音がうるさい部屋でも結構ぐっすり寝ている人が多いので「それはあなたの贅沢です。」と否定してもよいのですが、ちょっとかわいそうですね。

低周波成分の耳鳴りなどでは治療で良くなる場合もありますので専門医の診断を受けてください。
耳鳴りの苦しさは本人だけしかわかりません。
理解してあげようとする態度が応対する人に求められているのではないでしょうか。

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