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第129段:睡眠を要求するのは 心か? 体か? |
「昨日の夜はうつらうつらでほとんど寝ていません良く眠れるようにして下さい。」と睡眠剤を要求されます。
「ちょっと待ってくださいね。今朝からの身体活動は普通にできていますか?」
「別に支障なくこなしていますよ。」
こんな会話が繰り返される私の診察室です。
体が睡眠を要求しているときには車を運転するような緊張状態でも睡魔は襲ってきます。
体が睡眠を要求していなくても、心が昨日はうまく眠れなかったと思えば気持ちのよい睡眠を要求してきます。
どちらの要求に答えるべきでしょうか?
心の要求?
体の要求?
ともに心地よい眠りを得られるように援助させていただくのが私たちの仕事です。
しかし、睡眠の欲求がどこから起こり、どのように解決をすればよいかも理解していただければ不用の薬を使用する必要はなくなります。
最近の睡眠導入剤などでは習慣性や依存性といわれるいわゆる「くせになる、やめられない、量が増えてくる、ボケる」などというような副作用はほとんど見られません。(乱用した場合は別ですが・・・)
眠るための薬を求めて受診されますが、その薬の副作用を気にしてその薬が飲めない。
「お気の毒」としかいえない状態です。
睡眠薬の中毒(依存や習慣)を気にするのならそのことをご相談下さい。
10日や20日飲んで中毒になるようなことはありません。
1ヶ月や2ヶ月連続して服用しても問題になることはほとんどありません。
習慣性や依存性が生じたことを診断するのは医師の仕事です。
依存性や習慣性が生じてもそこから脱するまで付き合うのも医師の仕事です。
必要なときにはきちんと飲んで体を休め、心の要求には診察のときに不安や疑問を良く話し合いましょう。
体が求める睡眠不足解消より、心が求める睡眠不足解消の方が治療が困難なのです。