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心にうつりゆくそぞろごと
「心にうつりゆくそぞろごとを、そこはかとなく書きまぎらわしたるもの」を紹介しようと思い立ちました。
徒然草のごとく「日くらし硯に向かう」ほど暇ではありませんが、「心にうつりゆくよしなしごと」よいうか「そぞろごと」は、いくつも現れてきます。医学書を作るよりもこの方が人間味のある文になるのではないかと思います。
しばらくは「私の心にうつりゆくそぞろごと」とおつき合い下さい・・・

  第143段:痛みの感じかた  

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痛みについては第40段、第46段などでも触れていますが、今回は痛みの感じかたについて書いてみましょう。
先輩の医師の方々のお話を伺うと
「最近は痛みの我慢ができない人間が多い」というようなことを言われます。
私も医師になって約20年を経過しましたが、そのような印象がなんとなくあります。

我慢ができなくなった患者さんが多い!
「たかがこの程度でこんなに騒ぐのかな?」
「この処置でこんなに痛みを訴えるのかな?」
と感じることがしばしばあります。
痛みに対しての感じかた(痛みの閾値)が過敏になっていると想像しています。
以前は(昔話をするのは年をとった証拠ですが)本当に軽度の骨折などでは受診されていなかったようでレントゲン写真で昔の傷を聞くと「受診しなかったけど痛みがずいぶん長引いたよ」などと平気で話される方がありましたが、最近は如何でしょうか?

怪我をした後や病気が起こって痛みが発生したとき周囲の人間が必要以上に気遣うと返って痛みが強くなるようです。
スポーツの現場などでは骨折していてもプレーを続けていて試合後に骨折がわかるなどという例が結構あります。
全てが精神的なもので支配されているとは決して言いませんが、ある程度の痛みの強さは気持ちでコントロールできるのではないかなと考えています。

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