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心にうつりゆくそぞろごと
「心にうつりゆくそぞろごとを、そこはかとなく書きまぎらわしたるもの」を紹介しようと思い立ちました。
徒然草のごとく「日くらし硯に向かう」ほど暇ではありませんが、「心にうつりゆくよしなしごと」よいうか「そぞろごと」は、いくつも現れてきます。医学書を作るよりもこの方が人間味のある文になるのではないかと思います。
しばらくは「私の心にうつりゆくそぞろごと」とおつき合い下さい・・・

  第148段:飲み薬の妊娠中絶薬(RU486)  

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人工妊娠中絶薬ミフェプリストン(通称RU486)が欧州連合(EU)の11カ国で今年中に解禁されそうです。
フランスではすでに1988年から流通が始まっておりフランス国内の人工妊娠中絶の約30%がこの薬によるものです。
開発者の言葉を借りれば「薬の効果は98.6%、感染の恐れもなく、手術より安全」ということです。
(確かに人工妊娠中絶の手術は絶対安全とは言いきれない面があります。)

薬は妊娠49日以内の中絶に限られており、それを越えると効果が十分ではなく、中絶に失敗すると重症の奇形児を出産することの可能性もあるようです。
薬の使用後にショック死した例もあります。
しかし全体でみると安全な人工妊娠中絶の方法です。

昨年ピルが解禁になったばかりの日本ではまだ論議にも、薬としての申請も出ていないようですが、やがて外圧から認可になるかもしれませんね。
この薬とは別に性交後72時間以内に薬を飲むと妊娠しない「緊急経口避妊薬」も最近では欧米で使用され始めています。

日本でこの薬が拒否的な扱いを受けそうな気配の一つに産婦人科医の反応があるようです。
実は日本の産婦人科医の間には中絶手術による収入を脅かされるという懸念があるからのようです。
「中絶に寛容な国」として知られている日本ですがこの薬はどのような扱いになるのでしょうか。

フランスに続き英国、スウェーデン、イスラエル、ロシア、スイス、ドイツ、オーストリア、オランダでもすでに使えます。貴方はどう考えますか?
論議に一石を投じておきます。
(内容は2000年2月6日の読売新聞の記事から抜粋しました。)

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