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心にうつりゆくそぞろごと
「心にうつりゆくそぞろごとを、そこはかとなく書きまぎらわしたるもの」を紹介しようと思い立ちました。
徒然草のごとく「日くらし硯に向かう」ほど暇ではありませんが、「心にうつりゆくよしなしごと」よいうか「そぞろごと」は、いくつも現れてきます。医学書を作るよりもこの方が人間味のある文になるのではないかと思います。
しばらくは「私の心にうつりゆくそぞろごと」とおつき合い下さい・・・

  第155段:納豆で血が固まる!?  

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ある患者さんから「納豆は血液が固まるので体に悪い食べ物だそうですね」と言われました。
普段から納豆などの大豆製品は努めて食べるように指導していた私ですから思わず「エッエーッ?」という声を上げ、なぜそんな言葉が出たかを考えました。
答えは2秒ほどで出てきました。
ワーファリンという薬を飲んでいる患者さんからの知識だったのです。

様々な病気で血液が固まりやすくなったり、血液が固まりやすい状態が続いていて新たな病気を引き起こしそうになっている人には、血液を固まらせないためにワーファリンという名前の薬を飲んでもらっていますが、この薬はビタミンKが沢山含まれている食品を摂取することで効力を失う性質があります。
納豆にはビタミンKが大量に含まれており、ワーファリンという薬を飲んでいる人が納豆を食べると薬の効果が失われるわけです。
納豆が血液を固まらせるわけではありません。

他の食品ではクロレラ含有食品にビタミンKが大量に含まれていてワーファリンの効果を減弱させています。
100グラム当たりのビタミンKは納豆が925に対しクロレラ含有食品は3600ですから注意が必要です。
パセリは730クレソンは390ですが、これらはいずれも一度に50グラムも食べることはありませんから安全です。
医師や栄養士、薬剤師の指導をよく守ってください。

ワーファリンという薬を飲んでいる人はケガをする可能性のある仕事や運動は避け、食生活も極端に脂肪が多い食事とか、極端に脂肪を少なくするとか毎日酒を飲んだり、一度に大量の飲酒をしたりするような生活を避けなければなりません。
またワーファリンと同時に使用する薬も、薬によって作用が強まったり、弱まったりしますので注意が必要です。
定期的に受診し、血液検査で血液の固まる力を測定し適切な量の薬を飲んでいるかどうかを確かめる必要があります。
よくご相談下さい。

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