そぞろごとトップ 検索 管理用 松本医院Home

心にうつりゆくそぞろごと
「心にうつりゆくそぞろごとを、そこはかとなく書きまぎらわしたるもの」を紹介しようと思い立ちました。
徒然草のごとく「日くらし硯に向かう」ほど暇ではありませんが、「心にうつりゆくよしなしごと」よいうか「そぞろごと」は、いくつも現れてきます。医学書を作るよりもこの方が人間味のある文になるのではないかと思います。
しばらくは「私の心にうつりゆくそぞろごと」とおつき合い下さい・・・

  第175段:包帯が巻けない看護婦  

[前頁]  [次頁]

整形外科では現在も包帯を使用することが多いと思いますが、私の経営しているような小さな診療所では包帯の在庫はほとんどありません。
傷はガーゼと絆創膏で処理してしまいます。

新人の看護婦さんたちの包帯がうまく巻けないという印象はかなり前からあったようです。
昔の包帯は巻くのにかなりの技術を必要としましたが、今の包帯はそれほどの技術を必要としなくなりました。
包帯の巻き終わりも昔は割いて結んでいましたが、クリップになりやがて絆創膏で止めるようになったり、包帯そのものがくっつくような素材のものまで表れています。
包帯法を勉強するより様々な他の看護の知識を学ぶ時間が多くなったせいもあるでしょう。
包帯も満足に巻けないと愚痴をこぼされるベテランが少なくありません。

医療技術や処置に用いる材料が大きく変わり医療の現場では毎日のように新製品が出てきます。
それぞれを評価してどれが適切かを思案している暇がないほどです。
新しいものを理解する時間がかかり過ぎ、古くからの技が伝達しにくい現場です。こんなところからも包帯が巻けない看護婦が出てくる要因があります。

[前頁]  [次頁]


- Column HTML -