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心にうつりゆくそぞろごと
「心にうつりゆくそぞろごとを、そこはかとなく書きまぎらわしたるもの」を紹介しようと思い立ちました。
徒然草のごとく「日くらし硯に向かう」ほど暇ではありませんが、「心にうつりゆくよしなしごと」よいうか「そぞろごと」は、いくつも現れてきます。医学書を作るよりもこの方が人間味のある文になるのではないかと思います。
しばらくは「私の心にうつりゆくそぞろごと」とおつき合い下さい・・・

  第176段:減らない結核  

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平成12年9月22日厚生省は結核の発生動向を発表しました。
それによると新規に登録された結核患者数は48,264人で前年に比べ4,248人増加していました。
平成8年から9年が243人の増加で、平成9年から10年の増加が1,301人でしたから増加のスピードは著しいものがあります。
結核による死亡者数も増えて2935人でした。
死亡原因の22位から21位に上昇しています。
死亡者数も前年より140人の増加でした。

人口10万人あたりの罹患率は38.1です。諸外国と比べてみるとオーストラリアが4.9、スウェーデンが5.0、米国が6.6、オランダが7.7、英国9.6、デンマーク9.6、イタリア10.0、フランス11.5、ドイツ12.7でした。日本が飛び抜けて高いことが分かりますね。

医師にも国民にも過去の病気という認識が多いようですが、先進国の30年以上前の数字にはるかに及びません。
他の病気などでの指標は優秀なのですが結核だけはまだまだ安心できません。
長引く咳や発熱体のだるさを感じたら必ず受診をしてください。
胸部のレントゲン写真を撮ることが早期発見の手がかりです。

都道府県別に見ると大阪は74.9、兵庫は53.0、和歌山が50.0、徳島が49.4、大分が48.4、低い方の長野が17.3、山梨が23.4、宮城が26.9、栃木は27.1ですが、低い方の県でも桁違いですね。
真剣な対応が求められていると思います。
ちなみに島根は29.6でした。

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