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心にうつりゆくそぞろごと
「心にうつりゆくそぞろごとを、そこはかとなく書きまぎらわしたるもの」を紹介しようと思い立ちました。
徒然草のごとく「日くらし硯に向かう」ほど暇ではありませんが、「心にうつりゆくよしなしごと」よいうか「そぞろごと」は、いくつも現れてきます。医学書を作るよりもこの方が人間味のある文になるのではないかと思います。
しばらくは「私の心にうつりゆくそぞろごと」とおつき合い下さい・・・

  第180段:注射のあとは揉まないで  

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私は治療で注射をするのはあまり好きではありませんが、インフルエンザの予防接種はしています。
予防接種などは皮下注射といって筋肉内には注射液を入れないように接種しています。
注射薬を早く散らすという考え方から注射部位を揉むと指導される先生もおられますが、私は局所反応を広げないほうが良いとの考えから注射部位を揉まないように指導しています。

幼児の三種混合ワクチンなどは揉むことにより手が余計に腫れることが多いように感じていてなるべく揉まないように指導されているはずですが・・・・・

打撲などで痛いところは揉んでやると一時的に痛みが和らぐ感じがしますので、注射のときも同じと揉んでしまっているのが実状ではないでしょうか?

予防接種のあとで揉むか揉まないかの話をしながらのインフルエンザワクチン接種です。

血管からの採血や静脈注射のあとはもちろん揉んではいけません。
痛みを和らげるためかもまれている方を見かけますが、親指できちんと押さえましょう。
絆創膏を貼っておしまいとか、肘の部分で採血された時には肘を曲げるだけで十分と考えていませんか?
きちんと止血できません。
揉まずに押さえておきましょう。

ついでながら、アルコールを含んだ綿で採血部位や静脈注射部位を押さえていませんか?
アルコールには血液を固まらせる作用を弱める働きがありますから乾いた消毒済みの綿や乾いた消毒済みのガーゼで押さえてください。
(アルコールが血液を固まりにくくするというところを読んでそれを目的に酒を飲んでも効果はありません。念のため)

筋肉注射は私も揉んでもらいますが、入念には揉んでもらっていません。

筋肉注射や皮下注射は一見同じように見えるため区別もされていない場合があるようですが、皮内注射、皮下注射、筋肉注射、静脈注射など注射の針も違いますし(針の太さ、長さ、針先の角度)、それぞれをきちんと使い分けなければなりません。
余りに無神経なスタッフがいて仕事をする気が失せたことが過去にはありました。患者さんの前では叱れませんからね。

この段は私の独断と偏見で書いている可能性がありますので、他の医師からのご意見も戴きたいのですが、如何でしょうか?

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