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第187段:高齢化のスピード |
今月は2001年3月ですから介護保険法が施行されてから11ヶ月をすぎたところです。
もう一度基礎的な数字を振り返って見ましょう。
日本の場合は高齢化の速度は異常に速くそれに対処するために法制化を急いだと考えています。
例を示せば国民の人口の中に占める高齢者(65歳以上)が人口の7%から14%に達するまでにフランスは115年、スウェーデンは85年、アメリカは75年、西ドイツとイギリスが45年かかりましたが、日本は25年で到達したのです。
(アメリカは現在14%に達しておらず推計です。)
ですからヨーロッパ諸国のようにゆっくりと変革できるだけの時間がなかった分だけ急がせたわけですし、国民も実感する間がなかったのが本当のところではないでしょうか。
「まだはもう」ですし「もうはまだ」(定年退職で年金暮らしと思ったら、定年延長、年金の支給開始年齢の繰り延べ)でもあります。
2020年には日本の人口の約27%が老人となる推計がでていますので国民の4人に1人以上が65歳以上となります。
シルバービジネスと呼ばれる高齢者相手の仕事はますます増えます。
生まれてくる人間よりも死ぬ人間が多くなり、当然葬儀屋さんも忙しくなります。
墓や墓地の需要が急増するでしょう。
しかしそんな先の予想はしてもどうにもなりません。
高齢化のスピードに合わせて仕事をすると仕事がありつづけるよと私の友人は話していました。
「団塊の世代の人たちが希望するサービスを提供し続ければいいのですよ」と転職のプロは話していました。
団塊の世代の高齢者は現在の高齢者とは全く違う価値観で生活されるでしょう。
この変化のスピードについていけるかどうかがポイントです。
様々な高齢者のための施設がここ2・3年で一気に作られました。
それらの施設が20年後にくたびれた状態で団塊の世代が利用するのを待っているはずですが、団塊の世代の方々はあれで満足されるはずはないですよね。
高齢化のスピードは世界一の速さです、それに加えて高齢者の意識もそれ以上のスピードで変化しているのを実感します。
施設の運営や設備なども自分が利用するときにあれでいいと思えるかどうかをもう一度考え直してみたらどうでしょうか?
団塊の世代以後の老人は要求レベルが今以上に高いですよ。