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第191段:胃のもたれ |
人間の胃袋はゴムのように縮みしますが、この伸縮性が損なわれたりすると、いつまでも食べ物が胃の中に残って、膨らんでいる感じになります。
この状態が長時間不快に続くのが「胃もたれ」の症状です。
原因は胃の炎症や潰瘍、悪性腫瘍(ガン)があって伸縮性が損なわれている場合や、食べ過ぎのため、消化して腸へ送り出すのに時間がかかる時に「胃もたれ」を起こします。
胃の運動は体が起きていれば正常に動いているのですが、横になって寝てしまうと運動が止まってしまいます。
子供の頃に「食後すぐに寝ると牛になる」と祖父や祖母に叱られたことを思い出しました。
「胃もたれ」の原因になりそれを昔の人は知っていて注意したのでしょうか?
日本人の生活時間帯が夜にシフトしていっているのは様々な研究で明らかにされています。
そして夕食の時間が遅くなっているのも事実です。
そんな状況ですから、食後すぐに寝るという習慣が出来上がり「胃もたれ」を作っているのではないでしょうか?
夕食後にすぐに寝ないで2時間から3時間ぐらいは起きていたほうが良いでしょう。
もちろん夜食などは「胃もたれ」の原因を作っていますので控えたほうが良いでしょう。
朝食抜きの日本人が増えている原因の一つに夕食が遅く食後すぐに寝るので「胃もたれ」が発生し、朝の食欲が出ないのではないでしょうか?
朝、空腹で目覚めると朝食が美味しくなります。英語では朝食をブレックファーストといいますが、breakは「中断する」あるいは「壊れる」、「折れる」という意味ですね。
fastは「断食」という意味ですから英語では朝の食事の朝食ではなく、断食を中断する食事なのです。
ですからお腹が減っていて当たり前なのですが、遅い夕食のあとすぐに寝て「胃もたれ」で空腹感のない朝食を食べさせるのはブレックファーストとはいえなくなります。
夜食や遅い夕食で「胃もたれ」を作っているという事実を確認できれば胃薬の使用量も減りますよ。
私はいわゆる胃薬を処方するのがきらいです。
生活のリズムを整えることで不必要な胃薬から開放される可能性もありますのでご一考ください。