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心にうつりゆくそぞろごと
「心にうつりゆくそぞろごとを、そこはかとなく書きまぎらわしたるもの」を紹介しようと思い立ちました。
徒然草のごとく「日くらし硯に向かう」ほど暇ではありませんが、「心にうつりゆくよしなしごと」よいうか「そぞろごと」は、いくつも現れてきます。医学書を作るよりもこの方が人間味のある文になるのではないかと思います。
しばらくは「私の心にうつりゆくそぞろごと」とおつき合い下さい・・・

  第193段:ただ(TADA)ほど怖いものはない(タバコ)  

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「ただ(TADA)ほど怖いものはない」というタイトルの本を見つけました。
1995年の出版です。(日本禁煙協会、宮崎恭一著)

「T」はタバコ・Tobacco、
「A」はアルコール・Alcohol、
「D」はドラッグDrug、
「A」はエイズ・AIDSのことです。

10代の健康読本という副題がついています。
子供たちにそれぞれのことを正しく理解させどう対処するかが書かれています。
その本のタイトルを借用して私の考えを紹介します。

タバコの禁煙教育は小学校の4年生ぐらいから開始しなければ間に合いません。
中学校とか高等学校ではすでに遅すぎると報告されています。
しかし遅すぎるからやる必要がないのではなく常にタバコの危険性について情報を流しつづける必要があります。

「タバコは大人になってから」というJTのキャンペーンがありますが、タバコを売りたいタバコ会社は、「未成年の喫煙は有害であるし悪いことだ」と認めて、この言葉で子供たちに喫煙をしないように啓蒙しているという立場のようです。

しかしこの言葉は「大人になったらタバコを吸うものだ」という意味を含んでいるように感じませんか?

成人の喫煙者を見るとそのほとんどが20歳未満からタバコを吸っています。
「タバコは一生吸わないものだ」というキャンペーンが必要なのです。

「タバコには税金が含まれていて国の財政にも貢献している」という声がしばしば聞かれます。
ところがほとんどの集計では「多くの病気がタバコで起こるため、健康問題での国の出費や火災などでの損失が出ていることを含めると赤字になる」とされています。
ある控えめな調査ではタバコ1本で25円の国家の財政支出があるとされています。
つまり20本入りのタバコを1箱吸うと500円ほど国の支出が増えるということです。
タバコが1箱500円を超えることはありませんから、タバコではいる税金よりタバコのために出てゆく国の負担金のほうが多くなっているのは明らかですね。
タバコを吸わせつづけると国民が滅び国が滅亡します。
別の集計ではタバコの関連の病気で年間4万人以上が死んでいます。
交通事故では1万人前後が死んでいるわけですから反タバコキャンペーンの看板や幟は交通事故防止関係の4倍は必要と考えますが如何でしょうか?

タバコを1箱700円〜800円くらいにして売上数量が落ちても国の税収やタバコ店の収入は変わらず売上本数を減らして健康を得るという対策ができます。
葉タバコの栽培農家には転作奨励金で対策が可能でしょう。
ニコチン依存は麻薬やアルコールと全く同じ薬物依存ですから急に全員がやめるわけではありませんし、値段が高くても吸う人は吸います。
外国では20本1箱が500円前後から700円前後ですから世界的な価格と日本人の所得を考え合わせると法外な結論ではないと考えます。

タバコの害は改めて説明するまでもなく子供のような成長過程の人間が吸うことで遺伝子などの異常が起きやすく吸い始める年齢が早ければ早いほど障害も大きくなることがわかっています。
タバコは吸わないものです。
薬物依存症の1種ですから手を染めないことが一番なのです。
 
ついでながら本数を減らすと体に悪いという話です。
タバコの本数を減らしてもニコチンの量をある程度体が要求しますので、喫煙時には深く吸い込んでしまいます。
このとき一酸化炭素も多く吸うことになり本数を減らしたりタバコを軽いものに変えると、ニコチンの摂取量は変わらず一酸化炭素の吸入量は増えますからかえって危険です。
一酸化炭素は吸入すると心筋梗塞や狭心症を誘発しますので非常に危険です。
慢性刺激で起こる危険な点だけにとらわれて本数を減したり、軽いタバコにすると逆に死を呼び込んでいますので完全な禁煙を目指してください。

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