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心にうつりゆくそぞろごと
「心にうつりゆくそぞろごとを、そこはかとなく書きまぎらわしたるもの」を紹介しようと思い立ちました。
徒然草のごとく「日くらし硯に向かう」ほど暇ではありませんが、「心にうつりゆくよしなしごと」よいうか「そぞろごと」は、いくつも現れてきます。医学書を作るよりもこの方が人間味のある文になるのではないかと思います。
しばらくは「私の心にうつりゆくそぞろごと」とおつき合い下さい・・・

  第194段:耳垢(あか)の話  

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耳の穴(外耳道)の皮膚は、常に鼓膜から外に向かってゆっくりと移動しています。
これが耳の入口の軟骨部と深いところの骨部の境ではがれ落ちて軟骨部にある耳垢腺や皮脂腺から出る分泌物と混ざり合って耳あかとなります。
ですから耳あかは耳の入り口付近にだけたまるのです。

耳あかをきれいに掃除しようとして耳の置くまで綿棒を突っ込んでいませんか?
耳垢を耳の奥に押し込んでしまいますよ。
もう一度自分の耳掃除の仕方を点検してください。

耳あかは自然に排出されることが多いのですが、時には耳の穴をふさいでしまうこともあります。
高齢者で「最近どうも耳が聞こえない」といわれ耳の穴をのぞいたら、耳あかが詰まっていて薬でやわらかくして取り出したことが何度かあります。
栓のように詰まった耳あかがステンレスの膿盆という皿のような容器に落ちてカタンという音を立てたこともありました。
耳あかが取れた途端に難聴が治ったと喜ばれたこともありました。

ところで耳あかカサカサの乾型と褐色アメ状の湿型がありますね。
日本人では乾型が約85%と多くアメ状の湿型は病気と間違われることもあるようです。
欧米人では逆に湿型が一般的なようです。(私は湿型です。)

耳の穴の掃除は皮膚が薄いため非常にキズがつきやすいので硬いものでこすったり力を入れて掃除するとすぐに傷をつけ感染の原因になります。
自信のないときには耳鼻科の先生に見ていただききちんと手入れの仕方を教わってください。

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