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第201段:治りたくない病気・治したくない病気 |
そろそろ話の種が尽きたのでしょうか?前回の更新から2ヶ月以上も更新できませんでしたね。
第200段という区切りに特別な話ということも意識しておりませんでした。
気がつけばこのホームページも開設以来4年が経過して表紙のカウンターも20000を越えましたね。
ここ数ヶ月は本当に忙しい日が続いていて気もそぞろで落ち着いてパソコンの前に座っていないことが多かったようです。加えて新聞や雑誌の定期的な原稿依頼があり、締め切りのないこのページは後回しにしていました。
公にできる理由があると様々な仕事を断れる理由になりますが、病気もその一つですね。
私のホームページの更新ができない理由を書いていると、患者さんが「病気があって仕事ができないと診断書に書いてくれないか」と頼みにこられたときの話に似ているなと思いました。
医師の私は完治してはならない病気で患者さんが受診されることも知っています。
病気はつらいものですぐに治したいと考えるのが一般的ですが、様々な事情から
「治りたくない病気」、
「治したくない病気」が存在します。
もちろんこれらの病気は命取りになるような病気ではなく普通の生活は問題なくこなせるが、それ以上になるとうまく体が動かなくなるという実に巧妙なバランスの上にたった病気です。
様々な病名を付けて理由付けをして若干の休養が必要であったり、過重な労働ができないようにして欲しいと要求されます。
心療内科で比較的よく用いられるの病名をつけると
「精神的な病気だと診断されると自分が弱いことになるからその病名はいやだ」といわれます。
治らない病気の原因がストレスというのは好きな人が多いようで、すぐに「ストレスですか?」と聞かれてこられますが、医師からすればストレスが原因と断定するのはきわめて難しいのです。
とにもかくにも医師としてはうその診断書はかけませんので丁重にお断りしています。
ずいぶん前に嘘の診断書は書けないといったら、バンソウコウを譲ってくれとせがむ患者さんがいました。
理由を聞くと「町内会の仕事が回ってきそうだから、医者でしょっちゅう注射をされているような状態だから仕事はできないということを暗に見せるためにバンソウコウが必要」との話でした。
「診断書が書いてもらえないのなら体についているバンソウコウで通院証明をしているのか」と考え込まされてしまいました。
私は注射のあとにバンソウコウを貼らない主義ですので「注射のあとに貼るバンソウコウはうちにはないよ」とばっさり話の腰を折ってしまいました。
(可哀想なことをしていたなあ)