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心にうつりゆくそぞろごと
「心にうつりゆくそぞろごとを、そこはかとなく書きまぎらわしたるもの」を紹介しようと思い立ちました。
徒然草のごとく「日くらし硯に向かう」ほど暇ではありませんが、「心にうつりゆくよしなしごと」よいうか「そぞろごと」は、いくつも現れてきます。医学書を作るよりもこの方が人間味のある文になるのではないかと思います。
しばらくは「私の心にうつりゆくそぞろごと」とおつき合い下さい・・・

  第216段:トイレ訓練  

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子育て中のお父さんやお母さんオムツを早くはずそうとしての「トイレのしつけ」はいつからしていますか?
米国の幼児400人を対象に昼間オムツがはずせるようにするための調査が行われました。
その結果が米国の小児科学会の学術誌に掲載されましたのでその一部をご紹介しましょう。

オムツをはずす時期は日本や米国では、ここ数十年に1年近く遅くなりました。
「子供の発達に合わせようとする育児」が主流になったためです。
日本では昼間オムツはずせるようになるのは2歳半が平均的とされています。

今回の研究では、本格的なトレーニング(1日3回以上トイレに座らせる)を始めた時期が早い子供ほど、昼間おむつを外せるようになる時期が早くなることがわかりましたが、「早ければ早いほど良い」わけではなくて、2歳3カ月より前から本格的なトレーニングを始めた子供では、トレーニング期間が長くなることが判明しました。
 
つまり2歳3ヶ月より早くトイレトレーニングを開始しても、最終的におむつを外せるようになる時期は早くならなかったというわけです。

幸いなことに、早くトレーニングを開始した子供でも、便秘になる、トイレに座るのを嫌がるなどのトレーニング上の問題は、ゆっくりトレーニングを開始した子供と変わりませんでした。

子供たちの昼間のオムツのはずせる時期は平均で3歳1ヶ月でした。
(平均が3歳1ヶ月ということは、半分の子はこのときまでにオムツがはずせないことですから、遅れていると考えるのはは誤りです。)

以上から研究グループは「トイレ・トレーニングを本格的に始めるのは、2歳3カ月を過ぎてからで十分」と結論付けています。

いまさらですが、紙おむつと布オムツでオムツの取れる時期には差がありませんし、紙おむつが体に悪い影響があるという確かな証拠もありません。
中学校や高等学校の運動会や参観日に子供たちを見て、「あの子は紙おむつの子供だったから・・・」なんて話は聞かないでしょ?
紙おむつと布オムツではオムツかぶれは絶対に布オムツの方が多いですね。
布オムツを過大評価しないで下さい。
紙おむつはもっと評価されても良いですよ。

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