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第217段:頼りにされない医師? |
平成14年12月に公表された資料では、日本人は約5人に1人が不眠症ですが、医師を受診する割合が他の国の国民と比べると極端に低く、寝る前の飲酒の比率が高いという結果が出ていました。
調査に参加した国はオーストリア、ブラジル、スペイン,中国、ベルギー、ポルトガル、ドイツ、スロバキア、南アフリカ、日本の10カ国。
日本人だけでも1万人を調査するという大規模なものでした。
調査全体での不眠の方の割合は25%でしたから4人に1人が不眠の悩みを抱えているというのが実態のようです。
不眠のときに医師を受診する割合が日本では8%で10%にも満たないのですが、スロバキアと中国が20%台それ以外の国は40%から50%の人が受診をしています。
受診の機会が多いといわれる日本人ですが不眠に関しては医師は頼りにされていないのですね。
さらに睡眠薬を使用するかどうかでは南アメリカ、ポルトガル、ベルギー、スペイン、中国、ブラジルなどでは30%から50%の人が使用しているにもかかわらず、日本では20%以下の人しか使用していません。
その代わりに酒を飲む人は30%で堂々の第1位、また「お茶やコーヒーを控える」という手段も日本人は最も採用率が低い国でした。
睡眠については何度もこの「そぞろごと」で取り上げていますが、一般に睡眠薬を希望する、あるいは不眠を訴える人は男性よりも女性に多く、60歳以上の人になるとその傾向が強まります。
健康に問題のある人は不眠に陥りやすいのも我々は良く知っています。
寝酒と睡眠薬はどちらが体に影響が少ないかといえばもちろん睡眠薬です。
酒で寝るのは確かに寝付けますが、睡眠の後半が良い睡眠にならないのが特徴です。
薬に頼ってはいけないという誤った考え方が日本人には多いのではないでしょうか?
眠くないのに寝ようとするのは、満腹のときに食べようとするのと同じと考えて「無理して寝なくてもいいのだ」と考えると随分楽なのですが。
現実はどうも・・・・