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第227段:少子化のお話 |
日本の合計特殊出生率は1.29まで低下して様々なところでお話が出ています。
ところで外国はどうなのでしょうか?
2004年8月5日の毎日新聞の記事から考えてみました。
韓国・・・・・・・・・1.17
台湾・・・・・・・・・1.24
シンガポール・・・・・1.25
米国・・・・・・・・・2.13
イタリア・・・・・・・1.26
スウェーデン・・・・・1.65
日本・・・・・・・・・1.29
報道から受ける印象と他国の数字を見てからの印象が違いませんか?
韓国の事情:人口は4,740万人、国土は9万9千平方キロ(日本の3分の1弱)、70年には4.54だった合計特殊出生率が、80年に2.83、90年に1.59、02年に1.17まで下がりました。
日本よりも急激に少子高齢化が進んでいて大変な問題なのです。
介護の問題も今後起こると予想されていますが、日本のように家族介護から社会介護に切り替わるのには大変なパワーが必要と感じています。
日本に比べてはるかに家族の絆が強く、家族が高齢者の面倒を見るという思想が非常に根強く、日本のような介護保険制度が導入できるかどうか、興味を持ってみています。
ドイツや日本のシステムを参考にしながら、多分すばらしい制度を作って実施されるのではないかと考えています。
健康保険の制度なども日本の制度を参考にしながら優秀な制度を構築しています。
台湾の事情:人口は2,214万人。国土は3万6千平方キロ(九州よりやや小さい)農村部は大変な嫁不足でベトナム、インドネシアなど東南アジア出身の女性が多くなりました。
ここ10年の間に台湾男性と結婚するために海を渡ってきた女性は中国出身者を含めると30万人がいるようです。
台湾全体の新生児のうち、7人に1人がこれらの女性が産んだ子のようです。
早ければ2016年に出生数と死亡数が同じになり人口が減り始めるようです。
シンガポールの事情:人口420万人、国土420平方キロの都市国家(益田市が300平方キロ、東京23区が620平方キロです)70年代は2.0でしたが、90年に1.83、00年には1.60、03年に1.25と急落、第2子、第3子の誕生に奨励金を出しても効果なく、現在は国が運営するお見合いセンターまであるが効果は不明。
米国の事情:人口2億8850万人、国土962万9千平方キロ(日本の26倍)60年には出生率が3.64でしたが70年代半ばに1.77まで低下、その後増えています。
しかし、ヒスパニック系以外の白人では1.9、黒人は2.2、ヒスパニック系は2.7と人種間のばらつきが大きく、ヒスパニック系以外の白人の人口の割合が低下しているのが目立ちます。
イタリアの事情:人口5740万人、国土30万1千平方キロ。
98年には1.15を記録した低出生率の国。
最近はやや増加傾向ですが、依然として低いことが目立ちます。
親と同居する割合が25歳から29歳で60%、30歳から34歳でも30%で、男性が母親帰属する意識が高いのが特徴のようです。
スウェーデン:人口880万人、国土45万平方キロ。
90年には1.50でしたがその後上昇傾向にあり、2010年以降には1.80ぐらいまで上昇するのではないかと考えれれています。
女性の社会進出率が高いのが特徴ですが、シングルマザーが多いのも特徴。家庭の形態も多様で古い価値観の人間には理解しがたいところがある国です。
日本の事情:人口1億2700万人、国土37万平方キロ。
1947年には4.54でしたが、55年に2.37、75年に1.91まで低下。
夫の平均初婚年齢は47年の26.1歳から2001年の29.0歳に、妻の平均初婚年齢は22.9歳が27.2歳にと変化しています。
男は2.9歳遅くなり女は4.3歳遅くなっているわけです。
合計特殊出生率:15歳から49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもので1人の女性が一生に産む子どもの平均数に相当します。
人口を維持するためには2.1程度の数字が必要といわれています。