/そぞろごとトップ /検索 /管理用 | 松本医院Home |
|
第302段:猛暑日に10時間“散歩” |
「おいしいお水だ」と歩いてきた疲れを癒やす水を口にしたのは午後8時すぎでした。
7月19日の日の出の直前の午前5時ごろ、鷺(さぎ)舞で有名な津和野町の弥栄神社を出発点に歩き始め、同町瀧元にある小直の「御前水(ごぜんみず)殿様水」の清水を飲んでの感想でした。
今まで何度かこの場所は車で通ったことがありましたが、案内板の存在には気がつきませんでした。
津和野藩第11代亀井玆監(これみ)と奥方に関する清水の話を読みながら一息つきました。
既に歩いた距離は13キロほど、歩き始めは気温も25度ぐらいでしたが午前8時には29度を超えてしまいました。
気象予報では猛暑日とのことでしたから気温や風速を携帯電話で30分から1時間ごとに調べながら、日陰を探して何度も休んだり、写真を撮ったりしながら真夏の散歩です。
清水を飲んで渇きを癒やした後、動きだしたら汗として出てしまう料の水を追加して飲み、再び歩きだしました。
夏の強い日差しに肌が焼けないように通気のよい長袖、長ズボンに日よけの大きな帽子などの準備をしての散歩でした。
自宅から津和野までを歩いた4月下旬は気温も低く風もあり、さわやかな散歩でしたが、梅雨明けの日差しは予想通りの強さで準備が間違っていなかったことは9時すぎになって理解できました。
既に、気温は30度を超えていたようで気象予報よりも風が弱く、歩くのには辛い状況になっているのが分かりました。
歩きの歩幅も小さくなり歩数計の数字の割には歩いた距離が延びません。
足腰への負担は歩数に比例すると考えて、休憩の回数を増やし、体がきちんと冷えるまで休み、水分補給などを繰り返す回数も増えました。
約20キロを歩いたところで三渡八幡宮での休憩となりました。
なぜかは分かりませんが、早朝の弥栄神社の時と同じようにその日の散歩が無事終えられるようにと祈っていました。
境内の「いちい樫(がし)」の大木を眺めて、眺めて、ゆっくり休んで歩き始めました。
八幡宮の近くの堤田には島根県で一番大きな木の「大元神社跡の樹齢450年の楠木(くすのき)」があります。
大木には長い間の厳しい自然に耐えた力があるはずですから、そんな大木の木陰に入ってその力を譲り受けられるのではないかとも考えながら寄り道をしてしまいました。
そのまま高津川を挟んで国道9号の対岸を歩いてJR青原駅に着いて桜の木の下に座り込みました。
水1リットルを飲んでの休憩の後、駅前の「大庭政世先生頌徳(しょうとく)碑」に一礼をして午後の散歩の開始となりました。
やがて益田市と津和野町の境界を超え、木原隧道(ずいどう)の傍らの木陰で最後の休憩を取り、残りの3キロ余りの行程になりました。
自宅の屋根が見えるようになって、産土神(うぶすながみ)の高城神社にもお参りをと考えましたが、100段を超える石段には、足がいうことを聞きません。
国道9号から見える拝殿に向かってお祈りして、10時間になりそうな猛暑日の散歩はおしまいになりました。
行きはよいよい帰りは暑い(怖い)。
思い出の一日になりました。
『いわみ談話室』より