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心にうつりゆくそぞろごと
「心にうつりゆくそぞろごとを、そこはかとなく書きまぎらわしたるもの」を紹介しようと思い立ちました。
徒然草のごとく「日くらし硯に向かう」ほど暇ではありませんが、「心にうつりゆくよしなしごと」よいうか「そぞろごと」は、いくつも現れてきます。医学書を作るよりもこの方が人間味のある文になるのではないかと思います。
しばらくは「私の心にうつりゆくそぞろごと」とおつき合い下さい・・・

  第46段:やっぱり痛い  

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血液検査のための採血といわれて喜ぶ人はそう多くはないでしょう。

採血の不安と痛みについてこんなレポートがありました。
杏林大学医学部付属病院中央臨床検査部の江上静子さんの研究です。
(500人の患者さんの採血時のあんけーとけっかです。)

採血する前に「痛くはないか」と不安感のある人はおよそ5人に1人、「そんなに血を採られても大丈夫か」という採血量に対する不安感がある人は7人に1人、採血行為に不安を抱くのは男性に比較して女性は2倍という結果です。
採血時に痛みを感じますがその痛みが「やや強かった」と感じる人はおよそ10人に1人でした。

採血中に気分が悪くなる人は20人に1人ぐらいですが、比較的若い男性に多いようでした。自分が何度か採血されていて自分の採血は比較的難しいのではないかと思っている人は4人に1人ぐらいいるようです。

採血される血管と痛みについては「尺側皮静脈部」(手のひらを上にして拳を握り前に出した腕の内側)が「とう骨皮静脈部」(手のひらを・・・・腕の外側)よりも3倍痛みを感じる割合が高いことが分かりました。

ここからは私の印象ですが、注射の針や採血の針は刺すときよりも抜くときのほうが痛いようです。
抜くときにさっと針が抜けると痛みを感じる度合いが少ないようです。第40段でも書いていますが、リラックスしたり、息を吐き出しながらも痛みを和らげる方法です。

職員にも患者さんがいやがることを医療という目的のためにせざるを得ない、「いやなことをしてごめんなさい。」という気持ちで採血や注射をするようにと話しています。

「患者さんにとってつらい行為や、いやな思いをさせることが多い医療の現場です。
一段落したら患者さんに我慢をしていただいたことへの感謝とねぎらいの言葉をかけるように」と話していますが、実際に受診された方々にはどのように見えているでしょうか?

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