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第49段:プライマリケアフィジシャンその2 |
しつこくて申し訳ありません。
念のため学問的な言葉だけ紹介しておきます。
プライマリケアの核として考えられているものには
1.全人的な把握
2.身近さ
3.健康問題の発生時点での把握と解決策の検討の3点が初期診療の充実という項目で掲げられていて、継続医療の体制確立という項目では
1.生涯を通じてのケア
2.健康・体力つくりから疾病予防、早期発見、早期治療、社会復帰、救急医療に至る一貫性
3.チーム医療
4.責任体制の確立
5.地域医療へのアプローチとなっています。
私が父の診療所を継承したときある男性から「あんたが松本医院でワシを診てくれる4人目の医者じゃ」と話されました。
人の一生を診るのは長い年月を要するものです。
医師が1人で「僕が貴方の主治医です。」と偉そうに喋っても患者さんや家族にとっては多くの医師の1人なんだということを印象づけられました。
医師だけが不老長寿で診察が出来るわけではありません。
「私の身体は先生にお預けしてあります。」等と話されるかたもありますが、勝手に預けられても困ります。
人生の間には就学や就職あるいは転勤などで生活の場が変わることが多いのです。
それぞれの場所で貴方と馬の合う(フィーリングのよい)医師とお付き合い下さい。
「うちの患者だ」なんて患者さんを私物化される医師も時におられますが、貴方の身体です。
「うちの家は全員あそこの先生」などとホームドクターという言葉にだまされていませんか?
患者さんの受診状況の調査によれば、1人の患者さんには平均3人の主治医がいるという結果が出ています。
血圧の件はA先生、婦人科の病気はB先生、耳は耳鼻科のC先生、痔はちょっと遠くのD先生、すべてを知っているのは自分だけ(保険証には記入がありますが)お薬ももらう薬局が当然違います。
自分のすべてを他人に知られるのはいやですから、そういう行動がすべて悪いとは言いません。
貴方の人生ですから。
相談されれば貴方の意思を尊重したお答えになるでしょう。
もちろん医師には守秘義務という患者さんの秘密を外には漏らしてはならない義務がありますので心配しないで下さい。