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心にうつりゆくそぞろごと
「心にうつりゆくそぞろごとを、そこはかとなく書きまぎらわしたるもの」を紹介しようと思い立ちました。
徒然草のごとく「日くらし硯に向かう」ほど暇ではありませんが、「心にうつりゆくよしなしごと」よいうか「そぞろごと」は、いくつも現れてきます。医学書を作るよりもこの方が人間味のある文になるのではないかと思います。
しばらくは「私の心にうつりゆくそぞろごと」とおつき合い下さい・・・

  第52段:がんと生活習慣  

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がんは生活習慣関連病として考えられています。
発がんモデルの一つに多段階発がんモデルというのがあり、「がんは遺伝子に多段階におきた変化が集積された結果発生する慢性疾患」と理解されています。

「がん遺伝子」「がん抑制遺伝子」「がん関連遺伝子」などの変異を促す要因として「喫煙が30%」「食生活が35%」「感染症が10%」ほど関与していると考えられています。

「がんとタバコ」についてみてみるとタバコを吸う人も、タバコを吸う人の周辺の人もがんになる危険性が高いのは有名な事実です。

日本人の男性の喫煙率は1966年の84%をピークに漸減し、1997年には58%にまで低下しました。
74歳以下の年齢層で肺ガンの増加率が鈍化してきていることと関連がありそうです。喫煙者は非喫煙者に比べ5〜20倍肺がんに罹患しやすいようです。
咽頭・喉頭がん、食道がん、胃がん、膀胱がんなどの可能性も高まります。

「食生活とがん」については高食食品と胃がんの関係では1.2倍〜3.1倍高まると考えられていますが、果物や野菜を多く食べると胃がんになる確率は下がります。
(肥り過ぎや糖尿病に注意)

高脂肪食は大腸がん、乳がん、前立腺がんなどの増加と関連していると報告されています。
(摂取カロリー数が増加したので結核などの感染症で死亡する人が減ったのも事実です。)

1950年には日本の1人1日あたりの脂肪、食物繊維の摂取量はそれぞれ18グラムと23グラムでしたが、いまでは、60グラムと16グラムになってしまいました。
大腸がんの増加も食物繊維が減ったことと関係があるのではないかと考えられています。

「感染症とがん」についてはB型、C型肝炎ウイルスと肝がんなどが有名です。
子宮がんや白血病の中にもウイルスで感染を起こすことでがんになる場合もあります。
生活習慣とがんも関連がありますので、危険な生活習慣は避けたいものですね。

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