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心にうつりゆくそぞろごと
「心にうつりゆくそぞろごとを、そこはかとなく書きまぎらわしたるもの」を紹介しようと思い立ちました。
徒然草のごとく「日くらし硯に向かう」ほど暇ではありませんが、「心にうつりゆくよしなしごと」よいうか「そぞろごと」は、いくつも現れてきます。医学書を作るよりもこの方が人間味のある文になるのではないかと思います。
しばらくは「私の心にうつりゆくそぞろごと」とおつき合い下さい・・・

  第57段:子供と老人の体温調節  

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夏場の診察室で交わされる会話で多いのが「冷房はしないで、自然の風が体にいいのでしょ?」と話されるあなた、「そんなの嘘です。エアコンを使って快適な環境で子育てをしたり、老人を看てあげて下さい。」とお願いしています。
子供や老人は未熟な身体や老化した身体のため体温の調節機能が大人に比べ働きにくいのです。
昔の生活といまの生活は大変な変わり様です。
昭和の常識は平成には通用しません。

子供の体温調節能力が一人前になるのには約3年かかります。
ですから3回目の夏、3回目の冬までは積極的に冷房、暖房を利用したほうがよいでしょう。
体を鍛えるという信念で育児をされていますが、満3歳からでも早すぎると思います。(小学校の3〜4年生ぐらいまではスタミナをつけるようなことを目的とした運動は必要ありません。楽しくリズミカルにバランスをとることを目標にしています。)
昔の家は風通しが良く壁が熱くなかったのです。
今は断熱材の多い壁ですので、一旦熱くなるとなかなか冷えません。
ですから冷房、暖房が必要になるのです。

冷暖房のときに気をつけたいのは穏やかな調節です。
部屋の空気を暖めたり冷やしたりするのではなく、部屋の壁や床を暖めたり冷やしたりすると快適な室内環境になります。
部屋の中での暑さや寒さは、壁や床の温度が問題なのです。
(床や壁からの赤外線の量に相関しています。)

夏の冷房も25〜26度以下にする必要はありません。
冬の暖房も25度を超える必要はありません。
洋服で調節し外の気温とあまりに違い過ぎる室温の調節はよくないでしょう。
寒すぎるのも、暑すぎるのも体力を消耗します。
暑いところに閉じこめておくのが体力をつける方法なら、「夏ばて」などは存在しません。

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