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心にうつりゆくそぞろごと
「心にうつりゆくそぞろごとを、そこはかとなく書きまぎらわしたるもの」を紹介しようと思い立ちました。
徒然草のごとく「日くらし硯に向かう」ほど暇ではありませんが、「心にうつりゆくよしなしごと」よいうか「そぞろごと」は、いくつも現れてきます。医学書を作るよりもこの方が人間味のある文になるのではないかと思います。
しばらくは「私の心にうつりゆくそぞろごと」とおつき合い下さい・・・

  第62段:手足口病の誤解  

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手足口病が今年は大流行のようですね。
この病気、本人が元気でさえあれば登園、登校して差し支えありません。

確かに流行性のウイルス性の発疹疾患ですが、病原ウイルスの排出は約5週間続きます。
学校や保育所、幼稚園で「他の子供にうつる病気で感染源だから休ませて下さい」といわれる場合が多いようですが、感染源になることが登校、登園拒否の理由であるのなら5週間休む必要が生じますが、実際の問題として如何でしょうか?

もちろん重症の子供を登校、登園させろというのではありませんし、休んではいけない病気という気持ちはありません。
本人が元気なら受け入れてほしいと言っているのです。
日本小児科医会でも主治医や学校医、保育所・幼稚園医が登校、登園して差し支えないと診断したときを登校、登園の目安としています。

トラブルのもう一つの病気は「リンゴ病」です。
伝染性紅斑(デンセンセイ・コウハン)というのが正式な病気です。
この病気の混乱の原因は発疹が出たときには病原菌を排出し終わっている。
つまり発疹が出ているときには他人にはうつす能力がないときだということです。
詳しく調べてみると、発疹の出る2週間ぐらい前(ほとんど無症状かあるいは軽い風邪症状の時期です。)に病原菌を排出していて発疹期には他人に病気をうつす力がないわけです。
ですから本人が元気なら発疹が出ていても登校、登園しても感染源にはならないわけです。
しかし高熱が出たり、身体が痛くて動けない人もいますから、そういう方はお休みして下さい。
あくまでも登校、登園は本人の状態を医師がどう判断するかです。
他の子供にたいする感染源になるからというだけの理由で登校、登園を拒否されるのは不適切です。

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