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心にうつりゆくそぞろごと
「心にうつりゆくそぞろごとを、そこはかとなく書きまぎらわしたるもの」を紹介しようと思い立ちました。
徒然草のごとく「日くらし硯に向かう」ほど暇ではありませんが、「心にうつりゆくよしなしごと」よいうか「そぞろごと」は、いくつも現れてきます。医学書を作るよりもこの方が人間味のある文になるのではないかと思います。
しばらくは「私の心にうつりゆくそぞろごと」とおつき合い下さい・・・

  第63段:ろうそくの火を消すのにバケツの水をかけますか?  

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診察して治療方針を患者さんと相談していると、「とにかく良く効くヤツをくれ」という人「ひどい薬はいやですよ」といわれる人いろいろですね。

ろうそくの火を消すときには手で風を送ったり吹き消しますね。たき火の火を消すときに吹き消すことはあまりないでしょ?
バケツの水をかけますよね。
家が燃えているときには消防車ですよ。
程度に合わせて使い分けているでしょ。
薬も医師や薬剤師が病気の程度と患者さんの免疫能力や服薬能力(新生児がカプセルを飲めるわけないでしょ)などを考えて処方や調剤をします。

「保険が効かない良い薬がほしい」とか、「一番いいヤツ」とか「早く治る薬り」とか「副作用のない薬」を飲みたいという気持ちは分かりますが、軽い湿疹に非常に強い副腎皮質ホルモンは使用しませんよ。

ろうそくの火を消防車の放水の水で消そうとは考えません。
冷静に治療方針を決めましょう。
もちろん患者さんのあなたが治療の主役ですから主役の意見は尊重しますよ。
でも冷静な専門家の意見も聞いてみる価値がありますよ。
「不必要な薬はいらない}と言いながら、不必要に強い薬を求めようとしていませんか?

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