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心にうつりゆくそぞろごと
「心にうつりゆくそぞろごとを、そこはかとなく書きまぎらわしたるもの」を紹介しようと思い立ちました。
徒然草のごとく「日くらし硯に向かう」ほど暇ではありませんが、「心にうつりゆくよしなしごと」よいうか「そぞろごと」は、いくつも現れてきます。医学書を作るよりもこの方が人間味のある文になるのではないかと思います。
しばらくは「私の心にうつりゆくそぞろごと」とおつき合い下さい・・・

  第68段:気管支喘息とのつき合い方(その2)  

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喘息発作の初期の軽い呼吸困難が現れると、多くの患者さんは少し薬を使わないで様子を見ようとされますね。
アレが失敗なのです。一般の病気の時には「早期発見・早期治療」と叫んでいるのに、喘息の時には「なるべく薬は使わない方がよい」と判断されるのですか?

発作を軽くする吸入薬などは、程度の軽いときに使えば確実に良くなるのに、吸入薬を使用して10秒間の息止めが出来ないほど息苦しくなってから吸入薬を使おうとするので薬の効果を十分に出せないのです。

初めて私のところで吸入薬の使用法を説明されて
「今まで教えてもらったことがなかった」と言われる方や
「使い方や注意を忘れていた」という方が意外と多いのです。

数年前に島根県内の薬剤師の勉強会で吸入の実演をして見せました。
勉強会が終わってから「初めて教わりました。」とか「今まで薬を渡しているだけでした。」と話された薬剤師の先生方の顔が忘れられません。

患者さんによっては吸入薬はなるべく使わないように指示されていた(医師や薬剤師から)と話される方もありますが、私は「早めに適切な量の薬を使うことで、一生の間で使う薬の量を減らした方が身体のためですよ。」と説明しています。

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