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第77段:湿布薬で喘息が起こる! |
何年か前の話です。肩が痛いと受診をされた患者さんに痛み止めの湿布薬を出しました。
翌日、「湿布薬を貼ってしばらくしてから、呼吸が苦しくなったのですぐに湿布をはがしました」とお話に来られた女性がおられました。
「アスピリン喘息」という状態です。
痛み止めの成分が喘息発作を引き起こします。
飲み薬や座薬の痛み止めで起こるのは経験がありましたが、湿布では初めてでした。
お話に来られた日に「今後熱さましや痛み止めは医師の診断を受けてからにして下さい」と話しました。
しかしその女性は何ヶ月か後に、会社の配置薬を飲んで喘息発作を起こして来院されました。
重症発作でしたので私の診療所に救急車を呼び転送し、病院での加療となりました。
人工呼吸器 を使用して(気管内挿管)してやっと助かりました。
そのほかにも友人からもらった風邪薬で喘息発作を起こし、車で私の所を受診したときには呼吸が止まっていた患者さんもありました。
幸い友人の医師が私の診療所に遊びに来ていたときで医師二人とスタッフで救急処置をして呼吸が回復したのを確認し救急車で病院へ転送しました。
友人の医師は開業前でしたので「開業するとこんなことがしばしばあるのか?」と真剣に聞いていたときの顔が今でも忘れられません。
医師の処方する薬だけでなく、配置薬や一般薬でもアスピリン喘息は起こります。
私が飲んでよく効いたから、貴方もどうぞ」は極めて危険です。
アスピリンは有効で切れ味の鋭い薬ですが、時に危険な面を見せることがあります。
アスピリンに限らず薬には注意が必要です。
薬に対して過敏な人は必ず医師や薬剤師にその旨を伝えて下さい。
診察の前に話しておくと間違いが起こりにくいようです。
診察後と思っていると、診察中の会話の中でうっかり忘れてしまうことがありますよ。